栃木県足利市K邸『桜並木を借景に』

お客様とのご縁

 こちらの施主様は、知人の方から当社を知り、ホームページをご覧になって連絡をいただきました。
新築時、外構工事と一緒に芝庭を施工されたようですが、『植木の元気がなくなって・・・』と庭に寂しさを感じた奥様からのご依頼でした。

お客様のご要望

 薔薇を入れて明るく華やかにしたいというお話をいただきました。白壁が素敵な佇まいに合わせた植栽と桜並木の背景を活かした庭を提案したところ、内容に興味を持っていただき作庭の運びとなりました。  

before after

施工前:道路向かいが桜並木

施工後:玄関から見て右手の景色

 上左写真のグランドラインを掘り下げて大谷石のテラス(上右写真)を設置しています。ここは庭全体の一番低い位置になっておりますが、地下には循環用のタンクを埋設しております。この場所は集水及び排水機能を兼ねながら、筧とガラス鉢で庭のビューポイントにしました。機能美と造形美を意識した空間です。そして、ここで出た残土を利用したデザインが次の事例写真になります。

 

施工前

施工後

 こちらが残土を利用した 築山風の芝庭 です。芝庭を作る時に重要なのが排水性ですが、築山にすることでその性能がクリアされ、残土を有効に活用することができます。さらに排水という機能をより高めるためこの築山は版築土塀で土留めされています。

①版築型枠設置中

②版築打設中

③鉄網板設置中

④施工後

 この芝山は円形になっており、アプローチ確保のために版築土塀の土留めを設置しています。版築とは写真②の様に数㎝の層を一層ずつ突き固めていく古来より伝わる施工方法です。コンクリートではなく版築土塀を選択したのは、デザイン性もありますが、何より芝は植木の排水性を意識しています。コンクリートは通気性がなく、水も抜けません。しかし版築土塀は通気という機能を持っています。 植木鉢で例えますと、プラスチック鉢や陶器鉢よりも素焼き鉢の方が植物の成長が良いのですが、これも通気性が関係しています。
 ③写真は鉄の枠を溶接中です。これは芝の根止めと土留めです。この鉄の編板は代表のオリジナルです。錆も当社の提案するデザインの一つです。あえて錆止め剤等は塗布しておりません。

最後に

 施工中にはイベントや仕事が重なり度々お時間を頂戴しましたが、施主様にはご理解をいただきありがとうございました。また、私共家族や応援に来てくれた仲間へのお気遣いをいただきましたことも重ねてお礼申し上げます。施工にあたってはラフタークレーンを使用しての植木搬入や数十㎡の左官壁、石積みや版築土塀といった作業で、熱き仲間の協力を貰いながら完成しました。無事お引渡しに至りましたことをここに報告いたします。ご協力ありがとうございました。
 今後は薔薇や芝を中心に庭木の管理を任せて頂いております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。