東京オリンピック・パラリンピック『おもてなしの庭』 

第30回緑の環境プラン大賞 『おもてなしの庭』

日本一長い臥龍垣(がりゅうがき)が増上寺前に出現!

延期しておりました『おもてなしの庭』がこの春、増上寺前(東京都港区芝公園内)に誕生しました。

第30回緑の環境プラン大賞については以前お知らせしたブログ内にて説明させていただきました https://www.sakuteishi-inada.com/blog/4329/ ので、
今回は作庭内容を説明させていただきます。

 本作庭は、東京オリンピック開催へ向けて、国内外のお客様を日本庭園でもてなし、日本の庭園文化に触れていただくことをコンセプトに計画されていました。また、造園技術の伝承を目的とした技能研修を兼ねており、日本庭園士を目指す意識の高い庭師により作庭されます。
今回はオリンピック開催の有無にかかわらず、コロナ終息を願い、来日が叶わなかった海外の方や、外出自粛を余儀なくされている方々に向けて、造園技術・日本庭園文化の発信としてこの作庭パフォーマンスをYouTube配信し、日本の魅力をお届けしたいと考えております。

『おもてなしの庭』との弊社のかかわり

この庭は、『伝統を継ぎ、次代の伝統を創造する庭』というテーマがあり、技術継承への取組みが今回高く評価された点でもあります。
その次代の庭師代表として弊社代表が本企画のプロジェクトメンバーに招集されました。2019年に始まった提案・設計・コンペから作庭に至るまで携わらせていただいております。

プロジェクトメンバーには、現代の名工に表彰された日本造園組合連合会理事長:㈱楽月園 荻原博行㈱近江庭園 寺下弘㈱東海造園 野村脩 匠の庭師3名とデザイン設計に㈱戸田芳樹風景計画 大橋尚美 を迎え、弊社代表 稲田裕佳 を含む計5名を中心に進行しております。

今回の技能研修においては、匠の庭師3名を講師に迎え弊社代表を含む若手庭師が講師補佐を務め、全国で活躍している40名の庭師と共に作庭に挑みました。

『はなやぎの庭』と『逍遥の庭』

おもてなしの庭は『はなやぎの庭』『逍遥の庭』とコンセプトの異なる二つの庭で構成されております。

はなやぎの庭:統を継ぎ、次代の伝統を創出する技を見せる庭 として弊社代表を含む若手庭師の講師補佐のもと作庭されています。

臥龍垣

飛石

蹲踞

洗出し

逍遥の庭:伝統技法で作庭し、育成管理する庭 として現代の名工である匠の庭師の伝統技術のもと作庭されています。

石積み

市松石敷き

金閣寺垣

井筒

今回、計8日間という限られた期間と人数の中、雨降る中も作業は続けられました。私も時々荷物運搬などで現場に訪れていましたが、現場の雰囲気や代表の表情から時間に迫られていることを感じておりました。しかし、そこは流石全国屈指の庭師が集う作庭。しっかり期間内に美しい庭が作庭されました。ここに日本の庭師のプロフェッショナルな仕事を見せていただきました。
今回は開園式を控えておりますので、完成写真はまた後程紹介させていただきたいと思います。

YouTube配信

現在、YouTube配信に向けて日本造園組合連合会で動画編集中です。

おもてなしの庭の開園式が5月24日に予定されておりますので、それ以降に配信されるかと思われます。

配信されましたら、弊社HPからもご案内させていただきますので、またお立ち寄りくださいませ。